もろみのサレ妻日記 第5話~不倫修羅場からの再出発~
moromiso
ゼロから学ぶ! シングルマザー副業大作戦
「おかえりー」
玄関の扉を開ける音に、4歳の息子・むぎが駆け寄っていく。2歳の娘・みそもヨチヨチと後を追いかけていく。私はいつものようにキッチンで夕飯の準備をしていた。
いつもなら、夫・こうじも「おう、ただいま」と笑顔で子どもたちの頭を撫でる。
それがいつもの我が家の夕方の光景。 のはずだった。
でも、今日は違った。
「……ああ、ただいま」
なんだろう、この違和感。まるでそこに目に見えない薄い”壁”ができたような距離感。
夕飯中もスマホをいじり、私や子どもたちとの会話もどこか上の空。
「こうじ、仕事で何かあったの?」
「ああ、まあ、色々とな」
それ以上は何も聞かなかった。仕事でのトラブルはよくあることだ。
なのに、夫がスマホに目をやるたび胸の奥が小さくザワザワする。
それでも、私は「家庭円満」だと信じて疑わなかった。
──けれど、その小さな違和感は少しずつ、でも確実に膨らんでいった。